「抜け穴だらけのザル」と批判されている「政治とカネ」の法改正案。6日、衆議院本会議で採決され、可決しました。こうした中、自民党の地方組織のトップが「身を引いていただいて」などと、公然と岸田総理の退陣を訴えました。
【写真を見る】「法案成立で身を引いて」自民・横浜市連会長が総理に退陣要求 “ザル法”批判…政治資金規正法改正案が衆院通過【news23】
野党「ザルに申し訳ない」改正案が衆院通過 政治資金規正法
岸田総理(6日 午後6時ごろ)
「具体的な再発防止策に加えて、政策活動費についても、あるいは第三者機関につきましても、明確な方向性を明らかにした。実効性がないという指摘は全く当たらない」
自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案が6日、自民、公明、維新などの賛成多数により衆議院本会議で可決しました。これを受け、野党からは苦言を呈する声が出ました。
国民民主党 玉木雄一郎代表(6日 午後2時半ごろ)
「もうザル法です。ザルに申し訳ないですね。ザルの方がもっと物をすくえますから」
改正案に、企業・団体献金の禁止は盛り込まれず、政党から議員個人に支給される政策活動費については、領収書などを10年後に公開するとしています。
ただ、領収書の保存・提出・公開方法などの詳細は早期に検討し、公開しない場合の罰則の有無も今後検討するとしています。
野党は「検討のオンパレードで、信頼回復からはほど遠い」と指摘していますが、ある政府関係者は「時間がない中、幅広い与野党の合意を得ることを考えたら、こういう形にするしかなかった」といいます。
自民・横浜市連会長が総理退陣要求 「法案成立で身を引いて」
さらに自民党内からもお金のかからない政治制度の議論を深めるべきだったと指摘する声が上がっています。
自民党 石破茂元幹事長(6日 午後2時半ごろ)
「事務所の数の制限とか、スタッフの数の制限とか、『お金があるから有利だよ』ということにならないような仕組み、今回はその議論が抜け落ちている」
自民党の地方組織からは公然と岸田総理に退陣を求める声が上がりました。
自民党横浜市支部連合会 佐藤茂会長(6日 午後6時前)
「極めて重要なことを色々やってきているが、それでも政権浮揚しない状態にあるのは、岸田さんではダメだと。自民党の党員たちも期待していない」
さらに佐藤氏は、民主党に政権交代したとき以上の危機感があると話します。
「あの時は、街頭に立っていて、文句を言われた。今は文句も言ってくれない。できればこの法案が可決・成立して目処が立った段階で、自分は身を引いていただいて、あとは自民党の新しい方々に頑張ってほしいとエールを送ってほしい」
岸田総理は生煮えの改正案を煮詰めることができるのか、論戦の舞台は参議院へと移ります。