小林香菜「キツさが痛みで和らいだ。よくわかんないんですけど（笑）」接触のアクシデントにも笑顔【大阪国際女子マラソン】

■第44回 大阪国際女子マラソン（26日、大阪・ヤンマースタジアム長居発着、42.195㎞）

東京2025世界陸上の代表選考を兼ねている大阪国際女子マラソンで、小林香菜（23、大塚製薬）が日本人トップの2位でゴール。タイムは世界陸上派遣標準記録（2時間23分30秒）を切る2時間21分19秒（速報値）をマークし、日本女子歴代10位の好タイムとなった。

終盤までパリオリンピック™6位入賞の鈴木優花（25、第一生命グループ）が日本人トップを走っていたが、残り800m付近で小林が執念の粘りで逆転。ウォルケネシュ・エデサ（32、エチオピア）が連覇を果たした。

小林はレース後の会見では「今回のレースはハーフまで先頭集団についていくっていうふうに自分の中でもそう決めてて、ハーフでちょっと離れてしまったんですけどそこから自分のペースで前を見て走っていたら気がついたら鈴木さんの背中が大きくなっていて、行けるよっていうふうに言っていただいたので、ラストスパート頑張って、思いもしてなかった結果になって、とても嬉しいです」と話した。

15㎞付近でペースメーカーと給水で接触したときは「あのときは正直結構もうきつくて、足とかしんどくて、ぶつかってしまったダメージはもちろんあったんですけど正直そこで一瞬焦って、でもだからこそ落ち着けたところはあります。なんでしょうね、きつさがちょっとぶつかった痛みで和らいだという。よくわかんないんですけど（笑）」とヒヤッとしたアクシデントも笑顔で応えた。

ここ1か月間で自己ベストを2分40秒縮めた成長を問われると「どこがどう？どこがなんでしょうね。自分でもわかってないんですけど」と笑顔を見せて、「4月からは本格的な練習を取り組むようになって、基礎の部分がついたのかなっていうふうに、それが大きいところなのかなっていうふうには思います」と分析した。

日本陸上競技連盟強化委員会の高岡寿成シニアディレクター（54）は「彼女の成長曲線は非常に大きな角度を持って上昇しているのを印象付けられた」と話し、「彼女が集団から離されたシーンがあったんですけど、本来ならあのまま下がっていく。ていうところのシーンを見ることが多いんですけど、また集団に戻ってきた。また集団から離されたけど最終的に逆転した彼女の粘り強さ、あのスタミナ力っていうのをですね、魅力に感じるレースだったんじゃないかな」とコメントした。