■パリオリンピック™ 陸上・男子100m準決勝(日本時間5日、スタッド・ド・フランス)
男子100m準決勝でサニブラウン アブデル ハキーム(25、東レ)が9秒96(+0.5m)の自己ベストをマークしたが、組4着でタイムでも拾われず。全体10位で決勝進出を逃した。同種目日本勢は1932年ロサンゼルス五輪の吉岡隆徳さん以来、決勝進出者がおらず。92年ぶりの快挙に挑むも及ばなかった。
準決勝は最後の3組に登場したサニブラウン。決勝進出の条件は各組2着以内プラス上位2人で、東京五輪で100m銅、200mで金に輝いたA.ドグラス(29、カナダ)をはじめ、2022年の世界陸上オレゴン金のF.カーリー(29、アメリカ)ら自己ベスト9秒7台が3人いる強豪揃いの組でのレースに。好スタートで前に出るが、中盤あたりからトップスピードで走る強豪選手に抜かれ、4着でフィニッシュ。自己ベストの9秒96をマークするも、タイムで拾われる9秒93のラインを超えられず、無念の敗退となった。
準決勝を終えたサニブラウンは「本当に調子よくて、全部出し切る勢いでスタートしたんですけど、最後ちょっとまとまりきれなかったのがちょっと失速したきっかけになったのかなと思います」と悔やんだ。
自己ベストの力走も「(世界との差は)縮まってるんですけども、世界の皆さんもどんどん先に行っているので、ちょっとずつ追いつくだけじゃ足りないなっていうのは身にしみて感じました」と率直な心境を語った。
前日は10秒02(無風)の組2着で予選を突破し、山縣亮太が16年のリオ五輪(準決勝)で出した10秒05を超え、日本人五輪最高タイムをマーク。「走りの感触はまずまず。準決勝はみんな全力で走ると思うんで、プレッシャーを感じずに自分の走りができれば決勝はいけると思ってます」とファイナルに向け意気込んでいた。
世界陸上では2度決勝に進出しているサニブラウン。22年のオレゴンでは7位、23年ブダペストで6位と2大会連続で入賞を果たしていたが、今大会、準決勝では5人が9秒8台とハイレベルな争いの中、あと“0.03秒”及ばず準決勝で敗退となった。